ここでの“ボンサイ”とは「盆栽」と「凡才」との二つの意味を含みます。盆栽のように、マシンをカスタマイズすること自体を楽しんでいる凡才人のブログです。
キャブレターOH [JAZZ日記]
ずいぶん前からガソリンがにじみ始めていたジャズのキャブレター。
走行には支障が無いので放置していたが、この数ヶ月で徐々ににじみ出す量が増えてきて、先日はとうとうアイドリング中にエンジンがストールしてしまうほどになった。
あふれたガソリンが吸気系に流れ込んで、空燃比が濃くなりすぎたのだろう。
ここらでいっちょう、分解清掃して、怪しい部品を交換してみることにした。
キャブレターの底面。
あふれたガソリンが蒸発して不揮発成分だけが残り、茶色く汚れている。
フロートチャンバーの内側。
思いの外ガソリンスラッジが溜まってる。
キャブレターの外側が汚れるほど漏れ出すのは、この縁に付いてるOリングが劣化しているからだろう。
フロートもずいぶん茶色くなった。
7年前にオトンから譲り受けたときにもキャブレターを分解したが、フロートはもうちょっと白かった。
プラスチックがガソリンに添加された着色料で染められるのだろうなあ。
フロートバルブ。
これも怪しい部品の1つ。
フロート室の液面が上がると押し上げられて、先端にある円錐形のゴム部分がガソリンの入り口を塞いでそれ以上液面が上がるのを止める。
この閉塞が不完全だと、止めどなく液面が上がり続けてあふれてしまう。
見た目やゴム部の弾力を触ってみただけではわからないけど、念のために交換した。
メインジェット(上)とスロージェット(下)。
スロージェットには輪っかのようにガソリンのガム質がこびりついている。
部品を全部バラして、サンエスK-1という洗浄剤を水で5wt%に溶かした溶液にどぶ漬けした。
20分ほど浸けて、ナイロンブラシや歯ブラシでこすって汚れを落としたのちに組み付ける。
アイドルアジャストスクリュー。
スロットルバルブのストッパーとして働き、スロットルグリップを完全に戻したときのスロットルバルブの開弁量を調整する。
アイドルアジャストスクリューを締め込むと開弁量が増えてアイドリング回転速度が上がる。
エアスクリュー。
スロージェットに送り込む空気の量を調整する。
スロージェットに通過する空気の流れでスロージェットからガソリンを吹き出させ、低速域での空燃比を調整する。
アイドルアジャストスクリュー(右)とエアスクリュー(左)を組付けた。
エアスクリューはいったん完全に締め込んだのちに回転数を数えながら緩めて調整するが、うちのジャズは標準戻し数の2回転でちょうどいい。
チョークバルブの構成部品。
シャフトにリターンスプリングを通してフック状の端を、シャフトのストッパープレートに引っかける。
シャフトに操作レバーを通してリターンスプリングのもう一端をレバーの内側の突起に引っかけ、テンションをかけてストッパープレート部分に組み込む。
スペーサー(白い部品)をシャフトに通し、リテーナープレート(鋼製の板)を操作レバーの溝に合わせて、ネジで留める。
シャフトの中間にあるネジ穴にチョークバルブをネジ止めする。
チョークバルブのシャフトがバルブの中央からズレているのは、チョークバルブを閉じた状態でスロットルを開くなどしてエンジン回転が上がった場合にチョークバルブを開くため。
エンジンの回転が上がるとチョークバルブの向こう側の気圧が下がるが、軸が上にずれていることで吸引力がバルブの下側に多くかかり、バルブが回転して開く。
エンジン回転が下がると、操作レバーに組み込んだリターンスプリングの作用で閉じる方向に回転して戻る。
スロージェット。
スロットルバルブの開度が小さいときは、メインジェットのベンチュリ効果が低いのでメインジェットからの燃料供給が少なく、これだけでは適正な混合気を作れない。
これを補助するために空気のバイパス流路を設け、少ない空気流量でも十分な燃料を送り出すことができるスロージェットを通じて混合気を作る。
(「ベンチュリ効果」については2008年5月17日の記事をご参照)
メインジェット。
キャブレターを通過する空気の流れによるベンチュリ効果によって、ガソリンが吸い出される通路である。
内部にジェットニードルという針状のバルブが挿入され、スロットルバルブを開くと同時にジェットニードルが引き上げられ、ガソリンの流量が調整される。
スロージェットとメインジェットを組み付けた。
レース車両やカスタムパーツのキャブレターでは内径が異なるジェットが複数用意されていて、交換することで空燃比をチューンするが、ジャズの純正キャブレターにはそれがない。
フロートチャンバーの構成部品。
先にも述べたとおり、Oリングとフロートバルブは新品に交換した。
フロートピンの組付けに工具は必要ない。
力を入れることなく穴に通すだけ。
整備解説書には液面ゲージで計測した数値を規定しているが、調整機構がないので測ったところでどうしようもない。
組み立てたキャブレターを車体に取り付ける。
インレットパイプのフランジには古いガスケットの一部が張り付いているので、スクレーパーでこそいで剥がす。
フロートチャンバーのOリングを購入すると、セットでいくつかのOリングが同梱されてくるのでついでに交換。
スロットルバルブを組み付ける。
溝をアイドルアジャストスクリューに合わせて挿入し、キャップをねじ込む。
この溝の底が斜めになっていて、締め込んだアイドルアジャストスクリューの先端が溝の底を押し、スロットルバルブが押し上げられると言う仕組み。
燃料供給ホースも劣化が進んでいて、キャブレターを取り外す際に引っ張ったら穴が空いてしまったので交換。
ホースクリップも錆びて弾力を失っていたので交換した。
ホースは600mmの長さで納品されるので、適当に切って利用する。
燃料供給ホースとドレンチューブをキャブレターに取り付け、エアクリーナーボックスを取り付けて完成。
走行には支障が無いので放置していたが、この数ヶ月で徐々ににじみ出す量が増えてきて、先日はとうとうアイドリング中にエンジンがストールしてしまうほどになった。
あふれたガソリンが吸気系に流れ込んで、空燃比が濃くなりすぎたのだろう。
ここらでいっちょう、分解清掃して、怪しい部品を交換してみることにした。
キャブレターの底面。
あふれたガソリンが蒸発して不揮発成分だけが残り、茶色く汚れている。
フロートチャンバーの内側。
思いの外ガソリンスラッジが溜まってる。
キャブレターの外側が汚れるほど漏れ出すのは、この縁に付いてるOリングが劣化しているからだろう。
フロートもずいぶん茶色くなった。
7年前にオトンから譲り受けたときにもキャブレターを分解したが、フロートはもうちょっと白かった。
プラスチックがガソリンに添加された着色料で染められるのだろうなあ。
フロートバルブ。
これも怪しい部品の1つ。
フロート室の液面が上がると押し上げられて、先端にある円錐形のゴム部分がガソリンの入り口を塞いでそれ以上液面が上がるのを止める。
この閉塞が不完全だと、止めどなく液面が上がり続けてあふれてしまう。
見た目やゴム部の弾力を触ってみただけではわからないけど、念のために交換した。
メインジェット(上)とスロージェット(下)。
スロージェットには輪っかのようにガソリンのガム質がこびりついている。
部品を全部バラして、サンエスK-1という洗浄剤を水で5wt%に溶かした溶液にどぶ漬けした。
20分ほど浸けて、ナイロンブラシや歯ブラシでこすって汚れを落としたのちに組み付ける。
アイドルアジャストスクリュー。
スロットルバルブのストッパーとして働き、スロットルグリップを完全に戻したときのスロットルバルブの開弁量を調整する。
アイドルアジャストスクリューを締め込むと開弁量が増えてアイドリング回転速度が上がる。
エアスクリュー。
スロージェットに送り込む空気の量を調整する。
スロージェットに通過する空気の流れでスロージェットからガソリンを吹き出させ、低速域での空燃比を調整する。
アイドルアジャストスクリュー(右)とエアスクリュー(左)を組付けた。
エアスクリューはいったん完全に締め込んだのちに回転数を数えながら緩めて調整するが、うちのジャズは標準戻し数の2回転でちょうどいい。
チョークバルブの構成部品。
シャフトにリターンスプリングを通してフック状の端を、シャフトのストッパープレートに引っかける。
シャフトに操作レバーを通してリターンスプリングのもう一端をレバーの内側の突起に引っかけ、テンションをかけてストッパープレート部分に組み込む。
スペーサー(白い部品)をシャフトに通し、リテーナープレート(鋼製の板)を操作レバーの溝に合わせて、ネジで留める。
シャフトの中間にあるネジ穴にチョークバルブをネジ止めする。
チョークバルブのシャフトがバルブの中央からズレているのは、チョークバルブを閉じた状態でスロットルを開くなどしてエンジン回転が上がった場合にチョークバルブを開くため。
エンジンの回転が上がるとチョークバルブの向こう側の気圧が下がるが、軸が上にずれていることで吸引力がバルブの下側に多くかかり、バルブが回転して開く。
エンジン回転が下がると、操作レバーに組み込んだリターンスプリングの作用で閉じる方向に回転して戻る。
スロージェット。
スロットルバルブの開度が小さいときは、メインジェットのベンチュリ効果が低いのでメインジェットからの燃料供給が少なく、これだけでは適正な混合気を作れない。
これを補助するために空気のバイパス流路を設け、少ない空気流量でも十分な燃料を送り出すことができるスロージェットを通じて混合気を作る。
(「ベンチュリ効果」については2008年5月17日の記事をご参照)
メインジェット。
キャブレターを通過する空気の流れによるベンチュリ効果によって、ガソリンが吸い出される通路である。
内部にジェットニードルという針状のバルブが挿入され、スロットルバルブを開くと同時にジェットニードルが引き上げられ、ガソリンの流量が調整される。
スロージェットとメインジェットを組み付けた。
レース車両やカスタムパーツのキャブレターでは内径が異なるジェットが複数用意されていて、交換することで空燃比をチューンするが、ジャズの純正キャブレターにはそれがない。
フロートチャンバーの構成部品。
先にも述べたとおり、Oリングとフロートバルブは新品に交換した。
フロートピンの組付けに工具は必要ない。
力を入れることなく穴に通すだけ。
整備解説書には液面ゲージで計測した数値を規定しているが、調整機構がないので測ったところでどうしようもない。
組み立てたキャブレターを車体に取り付ける。
インレットパイプのフランジには古いガスケットの一部が張り付いているので、スクレーパーでこそいで剥がす。
フロートチャンバーのOリングを購入すると、セットでいくつかのOリングが同梱されてくるのでついでに交換。
スロットルバルブを組み付ける。
溝をアイドルアジャストスクリューに合わせて挿入し、キャップをねじ込む。
この溝の底が斜めになっていて、締め込んだアイドルアジャストスクリューの先端が溝の底を押し、スロットルバルブが押し上げられると言う仕組み。
燃料供給ホースも劣化が進んでいて、キャブレターを取り外す際に引っ張ったら穴が空いてしまったので交換。
ホースクリップも錆びて弾力を失っていたので交換した。
ホースは600mmの長さで納品されるので、適当に切って利用する。
燃料供給ホースとドレンチューブをキャブレターに取り付け、エアクリーナーボックスを取り付けて完成。
以前乗っていましたCB1100R、しばらく乗っていませんと、
エンジンの始動性が悪くなってしまいました。そんな時、
キャブのフロート室のガソリンを全部捨てたあと、燃料タンクから
新しい?ガソリンを入れてやりますと、セル一発で始動していました。
by FD (2015-08-28 07:52)
CB1100Rのような高性能車だとガソリンが少し劣化しただけでも影響が大きいのかもしれませんねえ。
by nozzy (2015-08-28 20:06)
キャブ清掃お疲れ様です。
昔、スーパーカブをアレコレしていた時を思い出しました♪
こういう愛着の湧くメンテが出来るのもキャブ車の魅力ですよね( ´∀`)bグッ!
by masashi (2015-08-30 12:42)
インジェクションになると分解できないですもんねえ。
燃調なんか、高額なROMライターがないとできないし、できたとしても目で見てわかる部品を交換するわけではないからおもしろさ半減です。
by nozzy (2015-08-31 10:14)