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ここでの“ボンサイ”とは「盆栽」と「凡才」との二つの意味を含みます。盆栽のように、マシンをカスタマイズすること自体を楽しんでいる凡才人のブログです。

標高1346m [旅日記]

盆休みは帰省して、実家を足がかりに恐羅漢山に登ってきた。
島根県と広島県の県境にある山で、両県で一番高い山である。
一時は悪天候が危ぶまれたが、夜半からスッキリと晴れて、涼しい高原の風を浴びながら快適な山登りを堪能した。
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トップの写真は麓のキャンプ場から見上げた夏の大三角。

姪っ子たちからは、かねてより、夏休みにどこかキャンプに連れて行けとリクエストされていた。
恐羅漢には昨年、登る計画だったが、台風が近づいていたので中止にしたのであった。
そんななか、小学生時代のクラスメートが山登りを始めたというので誘ってみた。
恐羅漢山の麓の牛小屋高原にあるキャンプ場に泊まり、バーベキューをしながら懐かしい話に花を咲かせ、翌朝、お手軽ハイキングという計画である。

13日の昼頃、妹一家のマツダMPVに、妹と姪っ子2人、甥っ子2人を乗せて6人で出発。

15時頃に現地について、キャンプ場の「ジップラインアドベンチャー」でたっぷり遊ぶことも考えたが、どうも夕方まで天気がすぐれない予報である。
てなわけで、近くにある温井ダムに立ち寄ってみた。
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アーチダムとしては黒部ダムに次いで、日本で2番目に大きなダムである。
半分はわたしの趣味だが、地下道を通ってダム見学ができる施設が用意されているので子供たちも楽しんでくれるだろうか…
管理棟からエレベーターで地下4階分まで下りると、地下道はひんやり。
外の気温は28℃だったが、地下道の中は15℃ほどで、少し寒いぐらいだ。
思いの外、子供たちは大はしゃぎ。
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地下道の反響だけでもキャーキャー言って喜んでいた。

地下道を抜けると巨大なアーチダムをしたから見上げる公園に出る。
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案外とこういう姿を見られるダムは少ないものだ。
しかも、ゴールデンウィークごろには雨量が多くなる季節の前にダムの水位を下げるため、堤体の中ほどにあるホロージェットバルブから放水するというのだから、来年のGWにはぜひ見に来なくては。
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あの高さから放水されると大迫力だろうなあ。

堤体の脇には資料館もある。
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エアコンの効きが弱く、温室のように窓から日が照りつけるので、外にいるより暑く感じて汗がダラダラと流れ落ちるが、資料館には建設中のダムのジオラマも展示されていて、なかなか楽しい。
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お子様向けにも龍姫湖の昔話がデジタル紙芝居で上映されて、飽きさせない…かも。
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大人的には「龍姫湖ってダムでできた人造湖なのに昔話があるんかいな」なんてツッコミもあるが、龍姫さまのセミヌードシーンのおかげで、そんな邪念は吹っ飛んだ。

一通り見学をして午後3時半に温井ダムを出発し、小一時間かけて恐羅漢エコロジーキャンプ場へ向かう。
温井ダムのあたりは天気が良かったのだけど、三段峡を過ぎたあたりから霧が濃くなり、小雨が降り出した。
キャンプ場はすっかり霧の中。
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ほかの利用客は自前のタープを用意して、タープのしたでバーベキューをしている。
うちもタープを持ってくればよかったなあ。
炊事場には屋根があり、ほかの利用客は使っていないので、ここに陣取ってバーベキュー開始。
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1人あたり2200円で、食材だけでなく紙皿と炭が付き、炭焼きコンロも貸してくれて、後片付けもおまかせ。
食べ物はたっぷりで、8人前を大人4人、子供5人で食べたが、おなかが苦しくなるぐらい食べても余るぐらいだった。
体育会系男子学生の団体でもなければ、足りなくなることはないだろう。
炭焼きコンロの用意と片付けまでしてくれて2200円なら食材はちょっとしかないんだろうな、なんてタカをくくって、うちからも少し肉を持ってきたけど、それにはぜんぜん手を付けずに終わってしまった。
こんなときは、余った生の肉をどうするか困っちゃうんだよね。

夜になっても雨は止まず、気温は下がる一方。
炭火の火が弱くなってくると、半袖でビールを飲んでいたら、肌寒くてまったりしていられないぐらいである。
明日もこんな調子だったら山登りは中止にしようかねえ、なんて話しながら夜は更けて、そろそろ布団に入ろうかというころ、近くを通りがかったよその家族が「あ、流れ星!」と声を上げた。

木の枝からぱらぱらと雨粒が落ちてきていたのでまだ振っているのかと思っていたが、見上げれば雲ひとつない星空が広がっている。
寝る前に、ペルセウス座流星群を眺めてみるか。
ペルセウス座はまだ低く、広場の東には管理棟の明かりが煌々としていたけれど、あわよくば流れる瞬間を写真に収められるかとカメラを天頂に向けてみた。
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10個ぐらいは目視できたものの、さすがにそのタイミングをつかむことはかなわなかった。
30分ほどで雲が出てきたし、翌朝は早起きしなければならないので、12時過ぎに撤収した。
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翌朝は6時に起きて朝食の準備。
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前日の霧と雨がウソのように晴れ上がっている。
今回泊まったのは、キャンプ場に建てられたケビン。
板張りで6畳ほどの広さがあり、4畳半ぐらいのロフトもあって大人4人、子供5人で寝ても余裕があった。
独り暮らしサイズの冷蔵庫や、6人ぐらいで囲めるテーブルもあるから食事も室内でゆったり過ごせる。
あえて難を言うなら、雨の日でもケビンの前でバーベキューができるような雨よけがあったらいいな。
支度を整え、7:50にキャンプ場脇の登山口から上り始める。
友人2人と友人の息子くん、姪っ子1号、甥っ子1号、そしてわたしの6人パーティー。
妹と姪っ子2号、甥っ子2号はキャンプ場で留守番である。
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スキーゲレンデを迂回するように西側斜面を北へトラバースして夏焼峠(なつやけのきびれ)から尾根伝いに山頂へ向かう「夏焼ルート」を行く。
前日の雨のせいで道を水の流れが横切るが、勾配は緩やかでよく整備されていて歩きやすい。
8:20ごろ、夏焼峠に到着。
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ここから標高1137mのピークまでがやや急登で息が上がる。
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足下が少々ぬかるんでいて、しっかり踏みしめないと滑るところもあった。
どうやらここで姪っ子が足をくじいたらしく、歩みが遅くなる。

ピークをすぎて緩やかなアップダウンののち、9:30、標準コースタイムどおりに山頂に到着。
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天気がよくて遠くの山まで見渡せる。
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風はなく、気温は25℃ぐらいといったところで、日向でじっとしていても苦にならない最高の天気だ。
甥っ子が「すごーい、雲と同じ高さだー」とはしゃいでる。
子供を連れてハイキングするにはベストコンディションだったな。

30分ほど休憩して下山を開始した。
帰りはゲレンデの裏側へいったん下りて夏焼峠に再び登る「台所原ルート」を通って、キレンゲショウマの群生地に立ち寄るつもりにしていたが、姪っ子が足を痛めているのでゲレンデをまっすぐに下る「立山ルート」でショートカットすることにした。

姪っ子の足に合わせてゆっくり歩くとアサギマダラくんが頭上で翅を休めていた。
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フライングで赤く染まったウチワカエデ。
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分岐を右に折れ、急勾配を下っていく。
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しばらくするとゲレンデに出たが、あまりにも急勾配でたじろぐ。
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スマホにダウンロードした地形図によると、道を示す点線はゲレンデの「立山尾根コース」に出ることになっているが、急斜面の「かやばたコース」に出てしまったようだ。
リフト降り場の近くには、蛍光ピンクのテープでマーキングがあり、その方向には藪を刈った様子がある。
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立山尾根コースに向かう方角ではあるが、足下が不安定で数メートルほど歩いて断念した。
姪っ子の足の具合が心配ではあるけれど、急斜面のゲレンデをゆっくり下ることにした。
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ゲレンデの原っぱにはアザミが咲き、色づきが浅いアキアカネくんが遊んでいる。
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このあと、ゲレンデ中ほどのリフト降り場で休憩していたら、姪っ子が蜂に刺されてしまった。
脱いだ帽子にとまった蜂をトレッキングポールで追い払っていたら、反撃を食らって頭を刺されたようだ。
蜂の種類はあまり見たことがない外観で、黄色と言うよりオレンジ色に近い縞模様で、ずんぐりとしたやや大柄の胴体だった。
西洋ミツバチの一種だろうか。
本人は痛みでしばらくシクシクと泣いていたが、刺されてから時間が経っても、大きく腫れ上がったり、広範囲に赤くなることはなかったので心配はないだろう。
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11:30ごろに登山口に戻ってハイキング終了。

キャンプ場は快適だったし、山登りはお手軽だし、ここは毎年恒例にしても良いぐらいだな。

さて、次はどこへ遊びに行こうかな。
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コメント 8

やなぼー

アーチダムを、こんな風に見られるところは珍しいですね!
真上から見ると、かなりの恐怖ですが・・・f^_^;)
ペルセウスは、条件も良く、チャレンジする気満々だったんですが、雲&
雨にやられました(T_T)
by やなぼー (2015-08-18 07:10) 

nozzy

アーチダムはオーバーハングしているので、上から見ても、下から見上げても、迫力ありますよね。
ペルセウスの極大日前後は全国的に雨模様だったようで、今年もあきらめかけてましたが、広島県の山間部はどうにか寝る前には晴れ上がってくれました。
by nozzy (2015-08-18 22:05) 

あおたけ

姪っ子さん、甥っ子さんと一緒に
ダム巡りとキャンプとは、
夏休みを満喫されていますね〜(^^)
龍姫湖の大蛇物語は、水没した集落の怨念!?
・・・って、そんなドロドロした話ではなさそうですね(笑)
ビール片手に天体観測、優雅なひと時ですね(^^)
by あおたけ (2015-08-21 12:15) 

nozzy

ある村に、色白できれいな娘がおりました。
不思議なことに娘が歩いた跡はいつもしっとり濡れていました。
そして毎晩、夜中になると娘はどこかへ出かけていきます。
じいさまがこっそり後をつけていくと、娘は湖の畔で服を脱ぎ始めました。
じいさまはうっかり物音を立ててしまい、娘に気づかれました。
姿を見られた娘は湖に飛び込んでしまいました。
月明かりに照らされた湖面には、大蛇が泳ぎ去るのが見えました。
きっと娘は大蛇の化身だったのでしょう。
夜中に出かけていたのは乾いた体を潤すために水浴びをしていたのでしょう。
おしまい
と、こんなお話です。
山もなければオチもありません。
蛇だからといって、いつでも体が濡れてるわけではなし、乾きに弱いわけではないはずなのですが、それもこれも、おっぱい丸出しで湖にダイブするシーンの前には黙るしかありません。
by nozzy (2015-08-21 15:55) 

よっすぃ〜と

ダム良いですね~
真夏でも内部は暖房が欲しくなるほどの涼しさですしね~(^0^)

流星群は雲に阻まれてまったくでした。
ここのところ天候不順で流星群が見られないことが続いています。
by よっすぃ〜と (2015-08-23 15:02) 

nozzy

ホントに、エレベータを降りて地下道へ出た瞬間、「寒っ!」と声を上げてしまうぐらいでした。
ペルセウス座流星群に限って言うと、去年は台風が近づいていたかなにかでダメだったんですよね。
今年もダメかとあきらめかけてましたが、中国山地ではどうにかチャンスに恵まれました。
by nozzy (2015-08-24 10:37) 

響

怖い林道でしか行けない頃からスノボで
通っていた恐羅漢ですが
夏場の風景を初めて見ました。
by (2015-08-25 19:35) 

nozzy

島根県西部に住んでいた小学生のころは、大佐山とか芸北国際にはよく連れて行ってもらったのですが、恐羅漢は記憶にありません。
きっと道が険しくて父も行きたがらなかったのでしょうねえ。
by nozzy (2015-08-25 23:27) 

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