ここでの“ボンサイ”とは「盆栽」と「凡才」との二つの意味を含みます。盆栽のように、マシンをカスタマイズすること自体を楽しんでいる凡才人のブログです。
標高971.5m [アルトワークス日記]
本日は京都と滋賀の県境にある皆子山までもみじ狩りハイキングに行ってきた。
京都府で一番高い山ではあるけれど、これといった見所もなく地味な山。
しかし、そんな地味さ加減と山麓の谷間の景色が好きで、過去に何度か訪れている。
いつもなら安曇川の支流のひとつ、北側山麓を流れる足尾谷から谷筋に沿って登るルートを行くのだが、今年9月の台風18号の影響により、この一帯はそこいら中で谷の斜面が崩落してしまっている。
9月末に下見に訪れた際に国道沿いの安曇川の惨憺たる姿を見るにつけ心配していたが、案の定、足尾谷ルートも被害を被ったようで、林道入り口から立ち入り禁止にされてしまった。
足尾谷の紅葉は好きだったのだけどなあ。
もっとも、足尾谷ルートは木の板を渡しただけの一本橋を渡るような場所もあったりして、以前から雨量が増えると橋が流されて通行できなることも珍しくなかったからしかたない。
今回は代わりに、わりと最近になって登山利用されることが増えてきたという東尾根ルートを登ってみることにした。
足尾谷ルートに比べると初心者でも迷いにくくて歩きやすいが、おもしろみは今ひとつといわれるルートで、国道脇の集落から直登する。
古い登山ガイドブックには記述されていないが、2013年版の「山と高原地図」(昭文社)には紹介されていた。
山頂は冷たい風が吹いていたけれど、今回も秋晴れの空の元、気持ちの良い早朝散歩が楽しめた。
本日は諸般の事情によりアルトで出動。
6:50にR367沿いの「平」バス停そばにある駐車スペースにアルトをデポして歩き始めた。
安曇川の対岸にある「正教院」という寺の山門脇から山へ入る。
山門の前は少し広くなっているから、1人だったらバイクでここまで来て、広場の隅っこの方に停めてもいいかもしれないな。
寺の裏手で墓地の脇を過ぎると初っぱなから急な斜面を登る。
うっそうとした杉林と墓地のおかげで、夜明け前から歩き始めたら薄気味悪いこと請け合いだ。
杉の葉が積もって踏み跡はあまりはっきりしないが、真っ直ぐ高いところを目指して歩けば道に迷うことはないだろう。
想像するに、もともとは杉林の手入れのために森林公社の作業員が歩いていた道だったものが、登山者に利用されるようになったのかもしれないな。
ひたすら急勾配を登り続けて30分、早くもへとへとになりつつある。
「ピャー!」と鹿の警戒音に驚かされて顔を上げれば、立派な角の雄鹿が森の奥へ消えていった。
尾根の両脇からは小さな沢のせせらぎが聞こえる。
見下ろせば日本庭園のような光景。
いや、日本庭園がこの景色を目指して作られると言うべきか。
小一時間ほどあるいてようやく視界が開け、勾配がすこし緩くなってきた。
杉林を抜けるとブナやミズナラの林が色づいていた。
やはり踏み跡ははっきりしないが藪に阻まれることもなく歩きやすい。
ただただ尾根に沿って高い方へと足を進めるだけで良い。
途中でアップダウンもあるけれど、“馬の背”から外れなければ間違いない。
とはいえ、地図を持って歩くことは重要だ。
自分の位置をときどき把握しておくことで、目的地までの所要時間を推定できるし、先々の勾配を予測してモチベーションをコントロールすることができる。
そろそろ山頂から西の、名前のない940mのピークに着くころかといったところで、尾根道を倒木が遮る。
折れ口は新しいから、きっと台風18号でなぎ倒されたのだろうなあ。
こんなふうに倒木を迂回する箇所がこの先に3箇所ぐらいあった。
8:40、南の寺谷から登ってくるルートと合流。
山頂まであとすこし。
おはようアセビたん。来春、花を付けたらまた会えるかな。
ここまで来るともう紅葉はほとんど落葉している。
8:45、山頂に到着。
じっとしていると汗が冷えて寒い。
今日は暖かいと見込んで肌着に木綿のTシャツを着てきてしまったのは失敗だったな。
山頂から西へ少し歩いて、皆子谷の源頭を散策。
源頭というのは沢の始まりのすり鉢状になった地形のこと。
高い山だとガレてて足を踏み込むのは危険を伴うこともあるほどだが、皆子山の源頭はなだらかで広々としているのが和やかな気持ちにさせられる。
山頂から東の、蓬莱山を望む。
びわ湖バレイスキー場がある、琵琶湖のほとりの観光地だ。
山頂には展望施設も建てられている。
一息入れて、来た道を戻る。
この東尾根ルートからは琵琶湖が見えると聞いていたのに見えないな、なんて考えながら歩いていたらふと気がついた。
山の合間を目を凝らしてみると、雲海が広がっているように見える。
太陽の光を反射して肉眼でも真っ白にしか見えないが、NDフィルターをかけると雲の波がはっきりしてきた。
どうやら湖面には濃い霧がかかっているようだ。
こんな低い山で面白い光景に出会えるとは思わなかった。
9:45、下る道すがら、足尾谷方面を見下ろすとパッチワークのような山肌。
10:15、ブナの林に戻ってきた。
10:45、安曇川を渡って下山。
11:30ぐらいになる思っていたけど早く戻って来れた。
昼飯にはちょっと早いので、アルトを回収して国道沿いの台風の爪痕を見て回ることにした。
足尾谷林道の入り口。
黄色いテープが張られて物々しい。
R367の旧国道。
この異様な光景、おわかりになるだろうか。
路面と川の水面がほとんど同じ高さにあるのだ。
川の中州は道路より高くなっている。
本来は路面より1m以上は低い川だったのだが、面崩落した斜面の土砂が堆積して浅くなっているのだ。
路肩のすぐそばを川の水が流れる。
旧国道はこのまま廃道にされてしまうのだろうか。
できることなら通行禁止にしては欲しくないなあ。
新道がトンネルや高い橋で通過してしまう美しい清流を見られなくなってしまうのは忍びない。
さて本日の昼飯は、R367沿い、花折峠の近くにある鯖ずし屋。
安曇川沿いは昔、若狭湾で捕れた鯖を京都まで運ぶルートだったことから「鯖街道」と呼ばれている。
昔は徒歩で運ばれていたから、鯖はなれ鮨にして運ばれた。
だから、こんな山の中でも、鯖ずしが郷土料理になっている。
とはいえ、さすがに現代人にとってなれ鮨は好き嫌いが分かれるものだから、鯖はシメサバにした押し寿司が名物とされているのだ。
わたしの好物のひとつである鯖ずし。
今回は、焼き目が香ばしいあぶり鯖ずしをオーダーしてみた。
なんと3貫で1890円。
たまにはこんな贅沢も良いよね。
「うんめ~!味の宝石箱や!」ってのに期待してみた。
でも残念ながら、値段の割にたいしたことなかった。
たしかに鯖は厚くて食べ応えのあるものだったけど、もっとうまい鯖ずしは他にもある。
これだったら名神高速の多賀SAで買える、1本2000円の焼き鯖ずしを丸ごとかぶりついた方が贅沢な気分になれる。
接客も朴訥 …ていうか正直言って雑だし。
これでは腹も心も満たされない。
堅田まで下りてからココ壱でカレーを食って口直し。
最後にケチがついてしまったな。
京都府で一番高い山ではあるけれど、これといった見所もなく地味な山。
しかし、そんな地味さ加減と山麓の谷間の景色が好きで、過去に何度か訪れている。
いつもなら安曇川の支流のひとつ、北側山麓を流れる足尾谷から谷筋に沿って登るルートを行くのだが、今年9月の台風18号の影響により、この一帯はそこいら中で谷の斜面が崩落してしまっている。
9月末に下見に訪れた際に国道沿いの安曇川の惨憺たる姿を見るにつけ心配していたが、案の定、足尾谷ルートも被害を被ったようで、林道入り口から立ち入り禁止にされてしまった。
足尾谷の紅葉は好きだったのだけどなあ。
もっとも、足尾谷ルートは木の板を渡しただけの一本橋を渡るような場所もあったりして、以前から雨量が増えると橋が流されて通行できなることも珍しくなかったからしかたない。
今回は代わりに、わりと最近になって登山利用されることが増えてきたという東尾根ルートを登ってみることにした。
足尾谷ルートに比べると初心者でも迷いにくくて歩きやすいが、おもしろみは今ひとつといわれるルートで、国道脇の集落から直登する。
古い登山ガイドブックには記述されていないが、2013年版の「山と高原地図」(昭文社)には紹介されていた。
山頂は冷たい風が吹いていたけれど、今回も秋晴れの空の元、気持ちの良い早朝散歩が楽しめた。
本日は諸般の事情によりアルトで出動。
6:50にR367沿いの「平」バス停そばにある駐車スペースにアルトをデポして歩き始めた。
安曇川の対岸にある「正教院」という寺の山門脇から山へ入る。
山門の前は少し広くなっているから、1人だったらバイクでここまで来て、広場の隅っこの方に停めてもいいかもしれないな。
寺の裏手で墓地の脇を過ぎると初っぱなから急な斜面を登る。
うっそうとした杉林と墓地のおかげで、夜明け前から歩き始めたら薄気味悪いこと請け合いだ。
杉の葉が積もって踏み跡はあまりはっきりしないが、真っ直ぐ高いところを目指して歩けば道に迷うことはないだろう。
想像するに、もともとは杉林の手入れのために森林公社の作業員が歩いていた道だったものが、登山者に利用されるようになったのかもしれないな。
ひたすら急勾配を登り続けて30分、早くもへとへとになりつつある。
「ピャー!」と鹿の警戒音に驚かされて顔を上げれば、立派な角の雄鹿が森の奥へ消えていった。
尾根の両脇からは小さな沢のせせらぎが聞こえる。
見下ろせば日本庭園のような光景。
いや、日本庭園がこの景色を目指して作られると言うべきか。
小一時間ほどあるいてようやく視界が開け、勾配がすこし緩くなってきた。
杉林を抜けるとブナやミズナラの林が色づいていた。
やはり踏み跡ははっきりしないが藪に阻まれることもなく歩きやすい。
ただただ尾根に沿って高い方へと足を進めるだけで良い。
途中でアップダウンもあるけれど、“馬の背”から外れなければ間違いない。
とはいえ、地図を持って歩くことは重要だ。
自分の位置をときどき把握しておくことで、目的地までの所要時間を推定できるし、先々の勾配を予測してモチベーションをコントロールすることができる。
そろそろ山頂から西の、名前のない940mのピークに着くころかといったところで、尾根道を倒木が遮る。
折れ口は新しいから、きっと台風18号でなぎ倒されたのだろうなあ。
こんなふうに倒木を迂回する箇所がこの先に3箇所ぐらいあった。
8:40、南の寺谷から登ってくるルートと合流。
山頂まであとすこし。
おはようアセビたん。来春、花を付けたらまた会えるかな。
ここまで来るともう紅葉はほとんど落葉している。
8:45、山頂に到着。
じっとしていると汗が冷えて寒い。
今日は暖かいと見込んで肌着に木綿のTシャツを着てきてしまったのは失敗だったな。
山頂から西へ少し歩いて、皆子谷の源頭を散策。
源頭というのは沢の始まりのすり鉢状になった地形のこと。
高い山だとガレてて足を踏み込むのは危険を伴うこともあるほどだが、皆子山の源頭はなだらかで広々としているのが和やかな気持ちにさせられる。
山頂から東の、蓬莱山を望む。
びわ湖バレイスキー場がある、琵琶湖のほとりの観光地だ。
山頂には展望施設も建てられている。
一息入れて、来た道を戻る。
この東尾根ルートからは琵琶湖が見えると聞いていたのに見えないな、なんて考えながら歩いていたらふと気がついた。
山の合間を目を凝らしてみると、雲海が広がっているように見える。
太陽の光を反射して肉眼でも真っ白にしか見えないが、NDフィルターをかけると雲の波がはっきりしてきた。
どうやら湖面には濃い霧がかかっているようだ。
こんな低い山で面白い光景に出会えるとは思わなかった。
9:45、下る道すがら、足尾谷方面を見下ろすとパッチワークのような山肌。
10:15、ブナの林に戻ってきた。
10:45、安曇川を渡って下山。
11:30ぐらいになる思っていたけど早く戻って来れた。
昼飯にはちょっと早いので、アルトを回収して国道沿いの台風の爪痕を見て回ることにした。
足尾谷林道の入り口。
黄色いテープが張られて物々しい。
R367の旧国道。
この異様な光景、おわかりになるだろうか。
路面と川の水面がほとんど同じ高さにあるのだ。
川の中州は道路より高くなっている。
本来は路面より1m以上は低い川だったのだが、面崩落した斜面の土砂が堆積して浅くなっているのだ。
路肩のすぐそばを川の水が流れる。
旧国道はこのまま廃道にされてしまうのだろうか。
できることなら通行禁止にしては欲しくないなあ。
新道がトンネルや高い橋で通過してしまう美しい清流を見られなくなってしまうのは忍びない。
さて本日の昼飯は、R367沿い、花折峠の近くにある鯖ずし屋。
安曇川沿いは昔、若狭湾で捕れた鯖を京都まで運ぶルートだったことから「鯖街道」と呼ばれている。
昔は徒歩で運ばれていたから、鯖はなれ鮨にして運ばれた。
だから、こんな山の中でも、鯖ずしが郷土料理になっている。
とはいえ、さすがに現代人にとってなれ鮨は好き嫌いが分かれるものだから、鯖はシメサバにした押し寿司が名物とされているのだ。
わたしの好物のひとつである鯖ずし。
今回は、焼き目が香ばしいあぶり鯖ずしをオーダーしてみた。
なんと3貫で1890円。
たまにはこんな贅沢も良いよね。
「うんめ~!味の宝石箱や!」ってのに期待してみた。
でも残念ながら、値段の割にたいしたことなかった。
たしかに鯖は厚くて食べ応えのあるものだったけど、もっとうまい鯖ずしは他にもある。
これだったら名神高速の多賀SAで買える、1本2000円の焼き鯖ずしを丸ごとかぶりついた方が贅沢な気分になれる。
接客も朴訥 …ていうか正直言って雑だし。
これでは腹も心も満たされない。
堅田まで下りてからココ壱でカレーを食って口直し。
最後にケチがついてしまったな。
登山いいですね
私も山ガールデビューをいつかしたいと思いますが
なかなか…
苦労して登った分素晴らしい景色に出会えるのでしょうね
by kokoro (2013-11-18 12:19)
日常から離れるほどに、普段は見られない景色に出会えるけれど、日常から離れるための道のりはハードルが高くなるということですな。
これは、登山に限った話ではなくて、例えばバイクツーリングも、ふらっと行って帰ってこれる行き先よりも、入念な準備と計画が必要な旅の方が珍しいものが見られるということですね。
by nozzy (2013-11-18 18:03)
高い物でハズレた時が一番悲しいですね(>_<)
見た目にばかり気が行って、肝心の“味”を見失っちゃったのかな?
by よっすぃ〜と (2013-11-18 20:44)
こういうのを見ていると、自分でも山に登って
みたくなってきます(笑)
頂上にたどり着いたときの達成感がいいなあ。
by うえいぱうわ (2013-11-19 02:26)
>よっすぃ〜とさん
不味いわけではないんですけどね。
鯖寿司としては90点をつけてもいいぐらい。
値段に味とサービスが着いてきてない感じです。
吉野家で牛丼を食うのと同じレベルの満足感なので、まあせいぜい600円の価値しか感じませんでした。
1890円なら120点のクオリティは見せてもらわないとね。
>うえいぱうわさん
千葉からは都心を抜けたないとならないのかもしれませんが、関東は奥秩父とか奥多摩なんか、わたしだったら頻繁に行ってるであろう山が多いです。
逆方向なら、ちょっと足を延ばして日光白根山、さらに那須岳や燧ヶ岳方面もいいですしねえ。
by nozzy (2013-11-19 12:40)
皆子山ハイキング、
ちょうど紅葉が見頃で、気持ち良さそうですね〜。
こういう山道は小回りが利く軽自動車の方が、
効率が良さそうですね(^^)。
三貫で1890円のさば寿司、美味しそうに見えますが、
コストパフォマンス的な期待が大きかったのかな?
by あおたけ (2013-11-19 17:51)
しかも、アルトはラリー用のアンダーガードを装備してるので、床下に大きな石をヒットしてもへこたれないんです。
旧道は落石が多くて、エリーゼで来てたら泣きを見ていたことは間違いありません。
鯖寿司は値段に対する期待が大きすぎましたねえ。
ぜんぜんお腹いっぱいにならなかったですし。
by nozzy (2013-11-20 12:31)
皆子山っていうんですか・・・京都の最高峰にしては名前も聞いたことありませんでした。本当に地味な扱いですね。
鯖鮨、お気の毒でした。値段と器の演出からはそれ相応の内容を期待してしまいますよね。せめてサービスだけでも・・・・。
by サットン (2013-11-25 18:32)
周りには鞍馬山やら比叡山など有名な山が多くて、京都北部の奥の山は埋もれがちですね。
ここいらは、もう少し北の朽木の方まで、いい山は多いですよ。
接客の雑さ加減は滋賀らしいなと感じます。
近江商人は「三方よし」なんて言いますが、宿場町として賑わった大昔の話ということでしょう。
by nozzy (2013-11-25 23:02)