ここでの“ボンサイ”とは「盆栽」と「凡才」との二つの意味を含みます。盆栽のように、マシンをカスタマイズすること自体を楽しんでいる凡才人のブログです。
高い島 [旅日記]
9月下旬のシルバーウィーク、遅めの夏休みをいただき9連休にして、今年も北海道へ渡ってきた。
今年はさらに利尻島に渡り、利尻山の登頂に挑戦。
トップの画像は、利尻山の8合目付近に一株だけみつけたチシマフウロたん。
9月になっても花を咲かせて迎えてくれた。
入山から下山まで11時間。
わたしの山登り史上で最もハードな山行だった。
下山後は階段の上り下りもおぼつかないほど脚が悲鳴を上げていたが、どうにか山頂まで登って下りきることができた。
出発は9月22日、大洗からの夕方便フェリーで苫小牧へ渡った。
苫小牧からは蝦夷富士こと羊蹄山のふもとの京極町を通って小樽へ向かう。
途中の支笏湖で土砂降りに見舞われた以外は晴天で、えりぴよさんの屋根を開けて走ると空気はヒンヤリと冷たいが、日差しが暖かい。
山間部を抜ける道では、紅葉が始まった木々の酸っぱいような匂いに包まれる。
京極町にある道の駅 名水の郷きょうごくで一休み。
山中牧場の出店があったので久しぶりのソフトクリームをいただいた。
山中牧場はここから小樽に向かった先の赤井川村にあって、学生時代にはドライブがてらよく立ち寄ったものである。
山中牧場の売店が閉まる時間には間に合わないスケジュールだったので、ここでソフトクリームにありつけて、ちょっとうれしい。
赤井川村を抜けると毛無峠。
札幌に住んでいたころ、週末の明け方にしょっちゅうドライブしていた峠道だ。
祝日の夕方ということもあって交通量が多く、快適ドライブとはいかないけれど懐かしの峠道を堪能した。
途中の展望台からは小樽の夜景が見下ろせるデートスポットでもある。
わたしが学生だったスキーブームのころ、kiroroスキーリゾートへスキーに行った帰りに毛無峠展望台からの夜景、そして小樽のラブホというのが当時のリア充の鉄板コースだったにちがいない。
小樽ではグランドパーク小樽というシティホテルに宿泊。
翌朝は6時に起きて、ヨットハーバーの見えるレストランで朝食をいただいたあと稚内に向けて出発した。
道央道で旭川を経由して上川地方の内陸部を北上すると、美深あたりでまたもや土砂降りに遭遇するも、スカッと晴れた青空の下、いかにも北海道といった景色の直線道路を快走。
12:00を少しまわったところで稚内に到着し、フェリーターミナルからほど近いところにある中華食堂でお昼を済ませた。
予約したフェリーは14:30に出港するので、乗船受付にもまだ時間がある。
港の近所に見える、不思議なカタチの建物が目をひいたので少し散策してみた。
こちらは、稚内市温水プール 水夢館。
「稚内港北防波堤ドーム」というのがあるというのは地図を見て知っていたけど、このドーム型の建物がそれかと思ってしまった。
郷土資料館のような展示施設があるのかと少し期待してしまった。
んで、こちらが本来の防波堤ドーム。
なにやら平成のバブリーな時代に建設された観光目的の建造物にも見えるけれど…
建造物の上は特に遊歩道が整備されているわけでもないし、内部も媚びた雰囲気がない殺風景な造り。
実は昭和初期に造られた本気の防波堤なのである。
そう聞くと、じつに合理的に思えてきた。
調べたところ、当時はコンクリート建造物の技術が未熟だったため、こういう形を採用したということだ。
しかしそれだけでなく、波の圧力を受け流して、必要なコンクリート資材の量を抑えながらもしっかりと波を防ぐことができる構造なんじゃないかと考えてしまう。
なんだかバットレスダムを眺めているかのような機能美。
さすがに当初の構造物は老朽化して危険な状態になってしまったため、いまあるものは昭和56年に改修されたものだというが、技術が発展してもこんなふうに後世に残していきたい建造物のひとつだなあと感じる。
防波堤公園をぐるりと一周してターミナルに戻るとちょうど良い時間。
利尻島に向けて出向である。
宗谷岬の沖をぐるりと周ると…
見えてきた!学生時代のバイクツーリングでオロロンラインを走ったときに沖に見えたあの島が!
「リ」はアイヌ語で「高い」、「シリ」は「島」。
利尻は高い島を指すアイヌ語に由来する。
標高1000mを超える山がある離島って、利尻のほかは屋久島ぐらいじゃないだろうか。
いつかあの島に渡ってみたいと思いながら30年。
山頂は雲に隠れて見えないが、あの当時は先のとがった円錐形の島がくっきり見えたのだった。
明日は山頂まで晴れると良いなあ。
つづく
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