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ここでの“ボンサイ”とは「盆栽」と「凡才」との二つの意味を含みます。盆栽のように、マシンをカスタマイズすること自体を楽しんでいる凡才人のブログです。

佐世保・長崎ツーリング(前編) [旅日記]

成人の日の3連休は、期限切れ間近のJALマイレージを使って熊本までひとっ飛び。
熊本からはレンタルバイクを借りて長崎までツーリングに行ってきた。
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天気予報は3日前まで雨予報だったが、当日は30%以下の降水確率。
慣れないバイクで雨の中を走ることにはならなさそう。

早朝、4時半に家を出て羽田空港に向かい、熊本空港着は8:25。
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空港からバスを乗り継いで、レンタル819加盟店のコウヤマモータースまで移動。
バスの中でうっかり居眠りして、バス停をひとつ乗り越してしまった。

さて、今回レンタルしたのはヤマハのナイケン。
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スクーターのトリシティと同じく、車体をバンクさせて走ることができるフロント2輪の3輪車、ヤマハの言うLMW(リーニングマルチホイール)である。
走っているのを見かけたのは2回ほどあるが、初めて見たときは対向車線を向かって来ていて、真正面から見た姿に思わずガザミを連想してしまった。
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その特徴的なフロントカウルには複雑なリンク機構が納められていて、ただ車体を傾けるための機構だけでなく、舵角を当てた際にカーブの内側になる車輪が外側の車輪より若干大きく向きが変わる「アッカーマン機構」も備わっている。
このアッカーマン機構は4輪の自動車にも古くから一般的に使われているもの。
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跨がってみると、メーターの脇に張りだしたコブが目を引く。
このコブの下にサスペンション機構が上下する空間が確保されていて、フロントカウル周りに小物入れが装備されているわけではない。
タンクからフロントカウルへかけてのボリューム感は大きいが、ムルティストラーダと比べても圧迫感は感じない。
全体的に低いフォルムに作られているせいだろう。
ミラーはハンドルバーより低い位置にあり、バーエンドやレバーが映り込む。
視線の角度に違和感は感じないが、クラッチ操作の際に視界の端でミラーに動くものが映る。
レバー操作をする自分の指先を、左後方の近い距離にバイクがいるのかと思って、左折するときなんか、ついドキッとしてしまう。
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ボリューム感のあるフロントに比べ、スリムなリヤスタイル。
格好はいいけど、もうちょっとツーリングを意識した作りにして欲しいな。
荷物フックは一切ないし、リヤシートにボストンバッグをヘタにくくりつけるとテールランプを覆ってしまう。
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リヤシートもスタイル重視で、ムルティストラーダに比べると座面が鞍型になっていて、荷物を載せにくい。
タンデムしたときも、後席は長く座ってはいられないだろうな。

乗ってみた感じはフロント2輪を感じさせない、極めて自然なフィーリング。
車重が263kgとムルティストラーダ1200Sより50kg以上重いが、サイドスタンドを払って車体を立たせるときに感じる重さはムルティストラーダよりも軽く感じる。
きっと重心はずっと低いのだろう。
足つき性は驚くほど悪く、ムルティストラーダやCRM250と同じぐらい。
それでも、低重心のおかげか立ちゴケ耐性は高く、エンストしておっとっとってなっても耐えるのはずっと楽。
3輪ホイールということで極低速時の安定感に期待するが、トリシティを試乗したときのような安定感は感じなかった。
むしろ、ほとんど停止の状態で足を着かずにスタンディングをしようとしても2輪車とは違ってすぐに車体が倒れようとする。
高速走行では低いフロントカウルのせいで、ネイキッドと同じぐらいの風圧を受ける。
100km/h巡航でもムルティに比べるとすごく疲れる。
それと、横風が吹いたときの上半身のあおられかたが半端ない。
フロントカウルでヘンな乱気流が発生してるのかと思うぐらい。
横風に強いのがLMWの特徴なのだけど、車体だけ安定してるから上半身の振られかたが強く感じられるのかもしれない。
熊本の柚木ICから佐世保三川内ICまで2時間弱の高速のあとは、山の中のくねくね道や海岸沿いのくねくね道に突入して、やっとツーリング本番。
3速で6000rpmまで回してみると、アルトワークスを思い出す音質で3気筒エンジンがうなる。
ブレーキングはフロント強めのバランス。
フロントの接地面が多いからかな。
ムルティストラーダを普段運転している感触でフロントブレーキを握る手とリヤブレーキを踏む足に力を入れるとリヤABSの介入が激しい。
車体をリーンさせると、なんか重い。
左右に連続するカーブで振り回そうとすると、ムルティストラーダのようなひらひら感がぜんぜんない。
もっさり倒して、もっさり切り返し。
これは…3輪のデメリットなのか?それともVツインと直3の違いか?
昔、大型二輪免許を取ったとき、教習所にはCB750とHDスポーツスターがあったのだけど、スラロームはスポスタなら4秒台でクリアしたのにCBでは6秒ちょっとかかってた。
逆に一本橋はCBのほうが安定してた。
クランクシャフトが長い分、ジャイロ効果が強く出るから、車体特製にも現れるのだ。
私はひらひら感重視で単気筒かVツインを好んで乗っているのだけど、ナイケンのもっさり感は受け入れがたい。
歳を取ってムルティを扱いきれなくなったら次のバイクはナイケンもいいかな、なんて思っていたが、これはちょっとがっかり。
足つきの悪さも、歳を取ったら辛いだろうな。
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そんなインプレを感じながら、13:30、道の駅させぼっくす99に到着。
佐世保に来たらやっぱりカレーでしょ。
いや、佐世保バーガーを食おうと思ったら、佐世保自衛隊グルメに目を奪われてしまった。
佐世保市内の各店に展開されているコラボで、店ごとに違う全19種類のカレーが取りそろえられている。
道の駅させぼっくす99でやってるのは掃海艇やくしまMSCカレーらしい。
MSCは掃海艇を意味するMine Sweeper Coastalの略ではなくて、マーベラス・シーフード・キャロットだそうな。
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いつぞやの横須賀では戦艦三笠に撃沈されたが、掃海艇やくしまは普通のサイズのカレーである。
具材の形がなくなるまで煮込まれたカレーソースに、千切りポテトとカボチャ、パプリカ、そしてベビーホタテとイカの素揚げが乗せられている。
キャロット要素はどこ行った?
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道の駅からさらに北上して長崎県道139号、明星峠を越えると平戸島が見えてきた。
なんか瀬戸内の景色、八栗山から見渡す小豆島みたいだ。
天気がよくなってよかったー。
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続いて海沿いに南下して、日本本土最西端の神崎鼻に到着。
日本の国土の最西端は与那国島だけど、北海道、本州、四国、九州のなかでの最西端はここらしい。
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海岸に降りてブラタモごっこをしてみると、海岸の岩は緑色がかった変成岩でミルフィーユ状態。
ここは秩父の長瀞につながる三波川変成帯の端っこか?
いや、中央構造体はもっと南の方の、天草のほうだっけか?
考えてみると、長崎のこの入り組んだ海岸線とかどういう成り立ちなんだろう?
そんなことを考えながら、山の中と海沿いのくねくね道を走りつつ、針尾瀬戸を渡って長崎市に向かった。



つづく
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